東京港臨海部 上から下から拝見

f:id:amullar:20191109012128j:plain

地上100メートルから東京港を望む。眼下に青海コンテナふ頭


f:id:amullar:20191109011755j:plain

巨大地震に見舞われた夜の街。安全に歩く知恵を学ぶ

 

 市民でつくる北多摩自然環境連絡会の今年最後の見学活動が11月6日にあり、東京港を地上100メートルのビルから眺めたり、水上バス臨海副都心の風景を見たりした。

 

 20人が参加し、新交通ゆりかもめテレコムセンター駅そばの青海(あおみ)フロンティアビル20階の「ミナトリエ」(東京臨海部広報展示室)へ。

 

 日比谷入江の埋め立てに始まり、掘割を巡らし、埋め立てが沖合へと延びる江戸・東京400年の歩みが大型のタッチパネルモニターや写真パネルなどでわかる。

 

 タブレット端末を使えば、普段見られない場所や臨海副都心の未来をAR(拡張現実)映像で体験できる。眼下にはコンテナクレーン12基を有する現実の青海コンテナふ頭があった。

 

 展示室のスタッフが、上方から船で運ばれた新酒到着でにぎわう河岸のジオラマや、埋め立てが進むにつれて消える台場などの歴史をはじめ、来夏の東京五輪パラリンピックに備える競技会場や新客船ふ頭の建設などについて約1時間説明してくれた。

 

 ビルとビルをつなぐ「滝の広場」で少し早めの昼食をとり、テレコムセンター駅から再びゆりかもめに乗って有明駅で下車。駅前に国内唯一の国営防災公園・東京臨海広域防災公園が広がる。

 

 その一角に建つ防災体験学習施設「そなエリア東京」に入った。再現された被災地や避難場所・避難所、起震実験などを目の前にして、担当のスタッフから「地震発生後、72時間を生き抜く知恵」を学ぶ。屋上庭園からは6機分のヘリポートが望めた。

 

 防災公園からは歩いて東京ビッグサイト近くの有明船着場へ。ここから東京港巡りの水上バスが出発するという。

 

 東京都は都民による東京港の見学などに使う視察船「新東京丸」が老朽化したため、9月から新視察船を就航させる予定だった。しかし、新造船に不具合が見つかり、修理に時間がかかることから当面、年内は水上バスで代替させることにした。

 

 運航は10月から午後3時~4時の1回で、定員は11、12月が100人。水深が浅い場所でも運航できる水上バスの特色を生かし、お台場海浜公園や運河など臨海副都心を身近に感じられるようコースを工夫したという。

 

 この日は団体客らで満員。都港湾局を退職したというガイドが、乗客の目が追い付かないのではと思うほど視界に入るものを次々と説明した。

 

 船はレインボーブリッジをくぐり右手に豊洲市場芝浦ふ頭を見、再びレインボーブリッジをくぐってお台場海浜公園に近づく。東京港トンネルを超えると右に大井コンテナふ頭、左には午前中に高所から見た青海コンテナふ頭。どちらにも赤白に塗り分けられた巨大クレーンが列をなし、国際物流の拠点を印象付ける。

 

 今回見学した施設の入場も水上バスの乗船も無料。水上バスは団体利用の予約希望が多く、企画担当者には2時間がかりでようやく電話がつながるというご苦労をかけた。