水辺を満喫 江戸川区・公園や緑道めぐる

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なぎさ公園「展望の丘」から旧江戸川と千葉県浦安市を望む


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池と豊かな自然に心和む平成庭園

 

 西東京市ウオーキング協会の10月例会は日曜の27日、東京都江戸川区の葛西地区であり、15人が参加して水辺の風景を楽しんだ。

 

 葛西地区は東に旧江戸川、西に荒川・中川が流れ南端には臨海公園がある。この日は東京メトロ東西線西葛西駅から両河川と離れた中央部を歩き、葛西駅まで約9キロのコース。

 

 西葛西駅北口を午前10時少し前に出発、北へ約15分の行船(ぎょうせん)公園へ。公園に入ると、すぐ自然動物園(無料)の正門があり、日曜日とあって園内は小さな子どもを連れた家族でなかなかのにぎわい。規模は大きくないが、オオアリクイがのし歩いていたりフンボルトペンギンが泳いだり歩いたりと、いろいろな動物が見られ、「今度ゆっくり来ようかしら」と好評だった。

 

 動物園を抜けると、池を中心とする落ち着いた雰囲気の日本庭園が広がる。平成庭園と名付けられている。

 

 池の飛び石を渡り、落差の小さい堰堤(えんてい)の水音を聞く。敷き詰めた白砂が波模様を描く石庭、竹林に隠れる大灯籠。動物園とは対照的な、静寂の世界だ。

 

 公園入り口に戻って南に向かい、清砂大橋通りを渡って石張りの遊歩道を進んでいると、マラソンコースと並行する形になった。折り返してきたランナーたちがどんどん私たちの左側を追い抜いていく。江戸川マラソン大会の第40回の記念大会だった。

 

 遊歩道を左にそれて新長島川親水公園に入る。人工的なせせらぎに沿う遊歩道の脇に、木の名前を当てるクイズが設けられ、楽しみながらなおも南へ進むと、ボートのようなものが浮かぶ広い水面が見えた。

 

 それは新左近川親水公園カヌー場。荒川と旧江戸川を結ぶ人工水路の新左近川につくられた。一般公開の時間帯があれば1時間100円の使用料(高校生以上)で借りられる。ここで10分間休憩。

 

 カヌー場からは東へ進み、環七通りの向こうに続く総合レクリエーション公園のフラワーガーデンに正午少し前に着いた。午前の部の終着点。噴水とバラ園の中間あたりのベンチで弁当を広げた。

 

 午後の部は予定通り1時に出発。うまいもの祭りのイベントとして、バラ園奥のステージで演じられるフラダンスをひとしきり観覧し、富士公園を通り抜けて、なぎさ公園の展望の丘に上った。

 

 丘の頂上は海抜13.5メートルと標柱に書かれていた。見やると、旧江戸川の向こうに千葉県浦安市の家並みが延びる。

 

 丘を下り、ポニーランドの馬小屋を訪ねると、授業に出かけているらしく1頭もいなかった。

 

 ポニーランドの近くには、左近川親水緑道の東側の起終点があり、カヌー場のあった新左近川親水公園につながる。石積みの擁壁に歴史的景観への配慮が感じられる。川の水は大雨の影響か、茶色く濁っていた。

 

 やがて環七通りに出る。あとは北へ一直線に進めば東京メトロ葛西駅だ。最後の立ち寄りは葛西駅高架下にある地下鉄博物館(入館料220円)。30分間の自由時間を得て日本初の地下鉄車両(重要文化財)をはじめ、地下鉄の歴史や車両の仕組み、トンネルの掘り方などを見学。

 

 江戸川区といえば陸の7割がゼロメートル地帯で、最悪の想定ではほとんどの地域が水没する。区は水害ハザードマップで、「ここにいてはダメです」の文言を使い話題を呼んだ。今回の行程では二つの台風と大雨による爪痕は見られず、参加者からは「水があって、花があって、いいコースでした」と喜ぶ声が相次いだ。