日本の美意識 アールヌーボーの源流     ハンガリー所蔵の工芸作品に見る

 

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ハンガリーの美しい風景がスライドで上映される。唯一の撮影コーナー

 パナソニック留美術館(東京都港区東新橋)の招待券が当たり、11月16日、「ブダペスト国立工芸美術館名品展 ジャポニズムからアール・ヌーヴォーへ」(12月19日まで)を見に行った。

 

 19世紀末から20世紀初頭にかけて西洋諸国を席巻した芸術運動アールヌーボーと、日本の美術品や工芸品がそれに与えた影響をたどる展覧会だ。

 

 ジャポニズム様式の作品とともに日本の陶磁器などの工芸品を積極的に収集してきたハンガリーブダペスト国立工芸美術館所蔵の作品約170件(約200点)が展示されている。

 

 竹をデザインしたティーセットなど日本美術の影響を強く受けたジャポニズム初期段階の作品群のコーナーから始まる。

 

 アールヌーボー全盛期の作品の多くが「花」「鳥と動物」といったモチーフや、蒔絵(まきえ)の技法に見られるような「表面の輝き」などに分類され、当時の日本の美意識にも気づかされる。

 

 クジャクの羽根をあしらった高さ28センチのガラスの花器は、金属的な玉虫色の輝きを放つ。米高級宝飾店ティファニーの創業者の息子が開発した技法だという。この「孔雀文花器」をはじめ、チラシに刷り込まれた作品を見つけるのも楽しみ方の一つだろう。