東京・文京区 白山神社 アジサイ見ごろ

白山神社本殿前の参道脇で咲き誇るアジサイ

富士塚のふもとのアジサイにもカメラが向けられる

 東京・文京区で「白山・小石川 紫陽花(あじさい)めぐり」をするという新聞社系のツアーが6月14日にあった。

 

 梅雨寒が戻り、午後から雨の予報も出ているなか、集合場所の都営三田線白山駅A3出入り口で高齢の女性4人との同道とわかる。

 

 ツアーは東京ボランティアガイドの説明を無線器で受信しイヤホンで聴く仕組み。薬師坂を下り、円乗寺境内にある「八百屋お七墓所」に寄り、同じ道を戻る形で白山神社に着いた。

 

 白山神社の境内から隣の白山公園にかけて約20種、約3千株のアジサイが植えられ、都内の名所という。今年は6月11日から19日まで「文京あじさいまつり」が開かれており、コンサート用の舞台が設けられていた。

 

 アジサイは祭り初日に見ごろとなったが、手まり咲きは大きくなってボリューム感を増したよう。花は本殿前の参道脇が見ごたえがあり、青や紫、ピンク、白と色もさまざま。多くの人がカメラを向けていた。

 

 白山公園のすぐそばにある浅間神社富士塚は、コロナ禍で「登山道」の整備ができず、公開中止となったが、すそ野のアジサイは花盛りだった。

 

 白山神社の次に訪れたのは東大大学院の研究施設である小石川植物園ニュートンの生家にあった木の枝を接ぎ木した「ニュートンのリンゴ」やユリノキなどの大木がそびえる森、多くの品種が咲き競うハナショウブ田などを1時間余りかけて見学。研究者ならずともいろいろな植物に興味をそそられる。

 

 小石川の和菓子の老舗が営む料理店で昼食をとり、樋口一葉終焉(しゅうえん)の地の碑、善光寺、慈眼院(じげんいん)・沢蔵司稲荷(たくぞうすいなり)を経て最終の源覚寺へ。

 

 同寺は眼病を治してくれる「こんにゃくえんま」とも呼ばれ、袋入りこんにゃくがたくさん供えられていた。境内には歯痛を和らげてくれるという「塩地蔵」も安置されている。

 

 都心はこの日、最高気温が20度に届かず、4月中旬の陽気。小石川植物園では「寒いくらい」との声が出たり、霧雨で一時傘を広げたりする場面があった。また文京区らしい坂の多いコースでもあったが、弱音を吐く人はおらず、「また会いましょう」と言葉を交わしての解散となった。