好きになれそう 古今亭菊之丞

真面目に聴いたら精魂尽き果てました、古今亭菊之丞独演会

 10月23日、三鷹古今亭菊之丞独演会を聴いた。集中力を欠いたが。テンポのよい語り口は好きになれそうだ。

 

 落語を楽しもうとすれば心身ともにリラックスして臨むことが大事だと、つくづく思い知らされた。今日は非日常の行動を欲張り、午前中は武蔵野大学西東京市)の日曜講演会で聖徳太子像について90分間聴いた。どんな話だったのと問われても答えられない。教養になっていないのだ。しっかり復習するつもり。

 

 大学前からバスでJR中央線三鷹駅へ行き、近くのちゃんぽん専門店で昼食。開演までに十分時間があるので、芸術文化センターまで歩く。

 

 座席が前から2列目なのはよいが、左端から2番目とあって、高座を見るには右に45度も体を、いや少なくても顔をねじらなければならない。中入り後はとても苦痛だった。

 

 菊之丞に至る出演者の芸も、出来不出来を別にしてまじめに見ないと失礼になる。前半は前座の「子ほめ」と二ツ目の「星野屋」。

 

 そして菊之丞の一席目が「幾代餅(いくよもち)」。若い奉公人と吉原の太夫恋物語。幾代餅は聞き覚えがあり、ハッピーエンドまで笑いがなくても心穏やかに聴ける。少し早口かと思うが、発語は明瞭で聴かせる力がある。噺(はなし)に出てくる「若旦那(だんな)」のイメージをまとっている。

 

 後半は二ツ目昇進の祝いの意味もあって、まめ菊改め古今亭雛菊(ひなぎく)が「転失気(てんしき)」を熱演。次いで菊之丞が「らくだ」を演じた。

 

 「らくだ」は初めて聴く演目。長編で登場人物の出入りが多く、ほとんど笑えないままサゲとなってしまった。一日の疲れがピークに達していたのかもしれないし、主人公の乱暴者に敵意や反感のようなものを持ったのかもしれない。