飛鳥の牽牛子塚古墳 世界遺産にふさわしいか

築造当時の八角墳に復元された牽牛子塚古墳=明日香村観光サイトから

 飛鳥時代の女帝・斉明天皇陵とみられ、世界文化遺産への登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の資産の一つである牽牛子塚(けんごしづか)古墳(国史跡、奈良県明日香村)をめぐる公開講座が7月8日、東京・有楽町朝日ホールで開かれた。

 

 明日香村と関西大学の主催。約600人が参加した。

 

 第1部は考古学や日本古代史の専門家と明日香村教育委員会文化財担当者の3氏が講演。東京学芸大学名誉教授で明日香村文化財顧問の木下正史氏は「牽牛子塚古墳-その世界遺産としての価値―」と題し、世界遺産への登録申請が評価基準に適合することなどを話した。

 

 牽牛子塚古墳は珍しい八角形をした古墳。八角形の墳丘がはっきりわかるよう村教委が復元にかかり、昨年3月に整備を終えて公開された。

 

 木下氏は八角墳について中国の道教の影響を受けながら天皇特有の古墳の形として独自に生み出されたという。

 

 第2部は講演した3氏に奈良文化財研究所の遺跡整備担当者を加えてパネル討論が行われた。