西東京・如意輪寺 ロウバイ もうすぐ見ごろ

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ほぼ満開となり上品な香りを漂わせるロウバイ=1月26日午後

 西東京市泉町の如意輪寺でロウバイの黄色い花が咲き始め、一部で見ごろを迎えている。

 

 市内でロウバイを植えている所は少なく、如意輪寺境内は隠れた名所。仁王門をくぐると、参道右側に多い。

 

 観音堂前のロウバイは1月25,26日の暖かさで開花が急に進み、八分咲きに。甘い香りも漂う。この冬は寒さの訪れが遅かったせいか、例年なら12月中に開花するはずなのが年明けになったという。

 

 半透明でつやのある、ろう細工を思わせる黄色い花よりも、まだつぼみの方が多い木が目立ち、これからが見ごろ。同寺は「自由に花を楽しんでください。ただ、枝を折るのはやめて」と話している。

<西東京市議会> ワクチン接種準備と事業者支援 コロナ対策費追加を可決

 今年第1回の臨時会が1月18日に開かれ、新型コロナウイルス対策としてワクチン接種の体制づくりと売り上げ減の事業者支援を合わせ約3億2300億円を追加し、総額約1053億7200万円とする市一般会計補正予算案を賛成多数で原案通り可決した。

 

 ワクチン接種では、3月中に65歳以上の人に「接種券」を印刷、郵送するほか、対象者などからの問い合わせや相談に電話で応じるコールセンターを外部委託して設置し、接種を迅速に始められる体制を整える。健康情報システム改修などと合わせた事業費は約6400万円。

 

 接種は医療機関または市が設営する会場で受けられるが、設営会場について市は「医師会と調整している」とした。

 

 市内事業者への緊急支援事業は、今回の緊急事態宣言などの影響により、1月の売り上げが前年同月比20%以上減り、家賃や人件費などの固定費の支払いが負担になっている中小企業、個人事業主に一律10万円を支給する。昨年2月以降に開業した場合は、開業後に最大売り上げだった月より20%以上減少していることが要件だ。

 

 一律支給することについて市は「即効性を考えると定額が妥当」とする商工会の判断を受け入れたという。支給対象は全事業者のほぼ半数で、前回家賃補助した実績の2倍となる2500事業者を見込む。事務経費を加えた事業費は約2億5900万円。

 

 2月8日から相談を受け付け、申請は2月27日から5月24日まで。手続きは簡素化し、パソコンが苦手な人には田無と保谷の商工会事務所で入力支援を行う。支給は申請後2週間程度の見込みという。

初春 笑いもつつましく 小朝独演会

 春風亭小朝独演会が1月16日、三鷹市公会堂であった。新型コロナ対策で客席は横も前も1席空け、半分の入場者で満席。

 

 女性若手二つ目の春風亭ぴっかり☆さんが、旦那の浮気をめぐる「悋気(りんき)の独楽(こま)」を演じ、小朝さんは「代書屋」の短縮バージョンから「親子酒」につなぐ二本立て。

 

 中入り後は、のだゆきさんが鍵盤ハーモニカやリコーダーを使った音楽パフォーマンスを披露。小朝さんは、正直なくず屋と意地っ張りの侍同士が笑いを織りなす「井戸の茶碗(わん)」を演じた。

 

 新春初笑い寄席にふさわしく、ぴっかり☆さん、のだゆきさんともに明るく華やかな雰囲気を衣装と芸でしっかり作り上げた。小朝さんは円熟した落語だけでなく、高座を取り巻く物理的な環境が厳しいことや収入の減少などのコロナ禍を笑いにまぶして語った。

 

 隣と前が空席だと、他者の体の動きや笑い声がこうも感じられないものなのか。新型ウイルスは客同士の一体感をも奪っている。

埼玉・所沢 晩秋の小手指ケ原古戦場~狭山湖を歩く

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狭山湖の歴史を学び、景色を楽しむ参加者たち


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人工増殖されている絶滅危惧種のミヤコタナゴ=所沢市埋蔵文化財調査センター

 市民有志でつくる北多摩自然環境連絡会の第3回ウオッチングが11月25日にあり、10人が埼玉県所沢市西部の古戦場や狭山湖(山口貯水池)をめぐり、晩秋の一日を楽しんだ。

 

 西武池袋線小手指駅南口を起点に、大まかには南へ向かい、西武山口線西武球場前駅を終点とする約7キロのコース。所沢市が発行するパンフレット「ウォーキングナビ」西エリアのおすすめルートの一つだ。

 

 小手指駅から線路沿いの道を進むと左側に桑畑が広がる。今なお続く養蚕の営みを想像して旅情のスイッチが入る。このあたりからバイパス国道463号に出るまでだだっ広い畑地帯を行く。小手指という地名の由来は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が小手をかざしたなど諸説あるが、一面の原っぱだったことで小手指ケ原の名が付いたことは容易に想像できる。

 

 国道を横断して旧鎌倉街道を南下し、市立埋蔵文化財調査センターに立ち寄った。旧石器時代からの出土品よりも国の天然記念物で絶滅危惧種の淡水魚ミヤコタナゴの展示水槽に足を向ける人が多い。

 

 ミヤコタナゴはコイの仲間だが、大きいものでも体長6~7センチほどで、ひれがほんのりと赤い方がオス。ここで人工増殖し、市内の小学校や市民ホールなどで飼育展示しているという。

 

 センターの近くに、新田義貞が鎌倉攻めで幕府軍と戦った地であることを示す小手指ケ原古戦場の碑と、新田軍が源氏の白い旗を掲げて陣を張ったとされる白旗塚があった。古墳にも見える小高い白旗塚に登ったが、頂上に史跡らしいものは何もない。かつてここにあった白旗塚碑と小さな石造の祠の浅間神社は、この後訪れる北野天神社の境内に移されていた。

 

 北野天神社、藤森稲荷神社を経て、大規模太陽光発電施設「メガソーラ所沢」の見学台で昼食の弁当を食べることになった。施設は、一般廃棄物の最終処分場を埋め立てた上に太陽光パネルを4千枚余り敷き詰め、市が運営、売電している。260世帯分の電気を賄える発電量と説明されていた。施設と向かい合う林地はトトロの森になっている。

 

 腹ごしらえを終え、15分ほどで狭山湖をのぞむあずまやに着いた。雨上がりの湿った空気がまだ残っていて、富士山は見えず、対岸の紅葉はにじんでいた。ただ岸に近い湖面で、カワウと思われる黒い水鳥の群れだけが動いていた。

 

 堤体の上の通路に人影は少なく、気兼ねなく歩ける。所々に設置された説明板でこの人造湖の歴史を学んだり、西洋風の取水塔を眺めたりして退屈しない。同じ東京の水がめでも、南側の多摩湖(村山貯水池)に比べると、狭山湖は来る機会が少ないと話す人がいた。

 

 狭山湖からは、プロ野球埼玉西武ライオンズが必勝祈願する狭山不動尊(狭山山不動寺)、行基菩薩が開いたと伝わる山口観音(金乗院)と二つの寺の境内を歩いた。山口観音では本堂前の左右の石灯籠の上にネコが鎮座していて、何人かの被写体になっていた。

 

 山口観音の参道を出ると、ゴールの西武球場前駅は目の前。ただし、現在の球場名は「メットライフドーム」。狭山湖では屋根の上部が小さく見え、「あんなに遠くまで歩くの」と気弱な声を発した人も元気を回復した様子だった。

 

<西東京市議会>小中校の学習用タブレット 1万6000台購入へ

 来年度から市内の小中学生に1人1台配備するタブレット端末と、充電保管庫・保管庫を市の財産として取得する議案が、11月27日の本会議で全会一致で可決された。

 

 国の「GIGA(ギガ)スクール構想」に沿ったもので、タブレットは小中学生用が1万4000台、教員用800台、予備1200台の計1万6000台。米ヒューレット・パッカード製で契約金額は約8億5100万円。

 

 端末用の充電保管庫は140台、保管庫は81台で、契約金額は約1500万円。

 

 議員の質問に対し市教委側は「タブレットは子どもの持ち帰りが基本」「予備機は子どもの端末が壊れたときに使う」と答えた。ただ「故意に壊した場合は(保護者に)損害賠償を求めるのか」との質問には「個別の事情による」と答えるにとどまり、明確な判断基準は示さなかった。

<西東京市議会>定例会始まる 一般会計にコロナ対策追加

 第4回定例会は11月27日招集され、会期を12月15日までの19日間と決めた。

 

 この後、財産の取得など議決を急ぐ議案4件を可決=別稿=、一般会計補正予算案を予算特別委員会に付託した。

 

 一般会計補正予算案は、新型コロナウイルス感染症対策を中心に2億2700万円を追加し、総額1049億3800万円とするもの。

 

 他の議案では市立しもほうや保育園の建物を社会福祉法人「至誠学舎東京」に約5300万円で売却する財産処分が上程されている。来年度から同法人が運営する。

 

 地区会館・ふれあいセンターの指定管理者の指定は、地域住民で組織する管理運営協議会を引き続き指定する内容。期間は来年度から3年間。

 

 西東京いこいの森公園と周辺の市立公園の指定管理者も現行の「西東京の公園・西武パートナーズ」(埼玉県所沢市)を指定する。期間は5年間。

 

 30日から一般質問が行われる。

発見・想像を楽しむ 「日本美術の裏の裏」展

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江戸時代(19世紀)の雛道具に「小」をめでる

 「裏の裏」という謎めいたタイトルにひかれ、10月24日に東京・六本木のサントリー美術館を訪ねた。

 

 リニューアルオープンした同美術館と朝日新聞社主催の展覧会「日本美術の裏の裏」(9月30日~11月29日)。開催前に新聞社が1ページの紙面の3分の2を割き、見どころ紹介記事を掲載していたが、展覧会全体のコンセプトをいまひとつつかみきれないまま会場へ出向いた。

 

 展覧会は「空間をつくる」「小をめでる」「心でえがく」「景色をさがす」「和歌でわかる」「風景にはいる」の6章で構成。

 

 会場に入ってすぐ目に入るのは、円山応挙の「青楓瀑布図(せいふうばくふず)」。滝を描いた縦178センチ、横92センチの大作そのものを鑑賞するよりも、「空間をつくる」とどう結びつくのかを考え、もやもや感を抱えながら屏風や絵巻、ミニチュアサイズの雛(ひな)道具、陶器、浮世絵版画などの古美術を一通り見て回った。

 

 この日は同館の学芸員らの教育担当スタッフが展覧会の見どころを短時間で解説してくれる「鑑賞ガイド」がホールであり、ここで理解を深めて再度作品を味わうことにしていた。

 

 スタッフが話す各章の狙いはおおむね得心がいった。「応挙の滝」はどこに滝があったらよいかを自由に想像してもらい、仮想現実を楽しむ。小さいものは昔から無条件にかわいい。ヘタウマな絵にもじわじわと迫る魅力がある。

 

 焼き物は自分の好きな面を正面にして飾ればよい。和歌を知れば日本美術はもっと面白いことに気づく。点景の人物を見つけて風景の中に導いてもらい自分だけの物語をつくる。

 

 要は「見えない部分(裏)を知るだけでなく、様々な角度から日本美術の楽しみ方を探る」(スタッフ)のが全体テーマのようだ。

 

 作者や時代を軸に組み立てられ、名品をじっくりと味わう展覧会とは一味違った切り口で、裏技ともいうべき鑑賞法を見る人に提示する意欲的な企画。約60点の出品作品がすべてサントリー美術館の所蔵とあって写真撮影できるのもうれしい。