初春 笑いもつつましく 小朝独演会

 春風亭小朝独演会が1月16日、三鷹市公会堂であった。新型コロナ対策で客席は横も前も1席空け、半分の入場者で満席。

 

 女性若手二つ目の春風亭ぴっかり☆さんが、旦那の浮気をめぐる「悋気(りんき)の独楽(こま)」を演じ、小朝さんは「代書屋」の短縮バージョンから「親子酒」につなぐ二本立て。

 

 中入り後は、のだゆきさんが鍵盤ハーモニカやリコーダーを使った音楽パフォーマンスを披露。小朝さんは、正直なくず屋と意地っ張りの侍同士が笑いを織りなす「井戸の茶碗(わん)」を演じた。

 

 新春初笑い寄席にふさわしく、ぴっかり☆さん、のだゆきさんともに明るく華やかな雰囲気を衣装と芸でしっかり作り上げた。小朝さんは円熟した落語だけでなく、高座を取り巻く物理的な環境が厳しいことや収入の減少などのコロナ禍を笑いにまぶして語った。

 

 隣と前が空席だと、他者の体の動きや笑い声がこうも感じられないものなのか。新型ウイルスは客同士の一体感をも奪っている。