ひばりが丘団地に「サ高住」完成 半世紀前の1棟を大改修

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都市再生機構(UR)が全面的な建て替えを進める「ひばりが丘団地」(西東京市東久留米市)で、唯一残されていた55年前の4階建て集合住宅1棟が大規模な改修を施され、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住、16戸)に生まれ変わった=写真手前。薬局などを事業展開する日本生科学研究所(本社・新宿区)が10月1日から運営する。
 
ひばりが丘団地は、URが団地を再整備するうえで多世代入居と地域コミュニティー支援のモデルケースとなっている。高齢者の相談窓口の地域包括支援センターや民生委員、団地自治会などの声を団地づくりに反映しており、サ高住の整備もその一つ。サ高住は居室の広さや設備、バリアフリー構造であることなどハード面で一定の条件を備えるほか、安否確認や生活相談サービスの提供も求められている。
 
今回の住宅は西隣に診療所と薬局、訪問介護事業所など、東隣には小規模多機能ホームとグループホームがあり、敷地内に多くのサービス拠点が配置された。食事は小規模多機能ホームでとることもできる。
 
建物はURが改修または新築し、棟ごと事業者に賃貸する方式。旧住戸の一部を削って廊下を作り、エレベーターを取り付けた。居室は34平方メートルの夫婦(2人)用と25平方メートルの単身者専用が各8戸で、角部屋はすべて2人用。
 
一方、日本生科学研究所は大学病院など大きな行院の近くで薬局を運営するほか介護、保健、福祉分野などの事業を手掛けている。同社によるとサ高住は夫婦で住める物件が全国的に少なく、間取りや設備などに数年前の国のモデル事業で得た夫婦住まいのためのノウハウを生かしたという。
 
毎月の費用は家賃、共益費、生活支援(安否確認・生活相談・緊急時の対応)サービス費の合計で2人用が約20万円、1人用が約15万円(いずれも水光熱費は別途)。敷金は3カ月分。
 
9月2021日に行った現地完成内覧会には230人が訪れた。半数以上は自分が住むためで、子と一緒の家族連れが目立ったという。25日現在、2人用の8戸はすべて予約で埋まり、2戸は1人で済む予定という。単身者用も半分の4戸が予約済みで、11月初めには満室になると見込んでいる。