一茶に見る日本人の死生観・無常観 武蔵野大で公開講座

イメージ 1  仏教と「心と身体の健康」を考える武蔵野大仏教文化研究所の公開連続講座の4回目が81日、西東京市の武蔵野キャンパス・グリーンホールで開かれた。
 
 「日本人の死生観と無常観―小林一茶から見える風景」と題し、島薗進上智グリーフケア研究所長が講演した。
 
 江戸時代の俳人一茶の生涯をたどり、俳諧師としての厳しい生活、父の財産相続問題、わが子の死などの局面で詠まれた句や文を紹介。桜の花には死のリアリティーと快楽にふける人間の対照を、相続問題では自分も罪の当事者であることを、子の死には無常を嘆きながらも悟りの境地と思える句を残したという。
 
 島薗氏は「仏教が悲しみの入れ物であると考えられるならば、文芸もまた悲しみの入れ物と言えるのではないか」と話し、日本の仏教は文芸の世界で生きてきた伝統を持つとの考え方を述べた。
 
この日は猛暑の中、約200人が訪れ、熱心に聞き入った。