この日も猛暑日が予想されるなか、14人が参加。小田急線向ケ丘遊園駅北口から出る明大正門前行きバスを利用した。団体見学(10人以上)を予約しており、男性の大学院生が資料館の展示室と生田キャンパス内の史跡を案内してくれた。
最初の部屋で、戦前戦後の5枚の航空写真や地形・建物のジオラマを見て研究所の全容をつかむ。それから、第一科が開発し米国へ飛ばした風船爆弾の模型、第二科の活動内容がわかる文書つづりの複製、中国の経済混乱などを狙った第三科製造の偽札、細菌などの培養実験に使ったとみられる暗室、本土決戦での細菌戦に備えたとみられる大量の「ろ過筒」などを見て回った。
戦闘の裏に隠されていた数々の秘密研究や謀略の証拠資料と解説に見学者たちは驚きを飲みこんだ。
食堂館で昼食をとったあと、DVD「蘇(よみがえ)る登戸研究所」を見て史跡巡りへ。
豚や牛の実験動物の霊を慰める立派な動物慰霊碑の裏側を見て、秘密の存在とされたはずなのに「陸軍登戸研究所建立」の文字がくっきりと彫られている不思議を感じる一方で、昭和63年に元所員らが建立した弥心(やごころ)神社境内の登戸研究所跡碑に「秘密は墓場まで」の呪縛からの解放を知らされた。