今年3月、「こくベジ」のロゴを決め、300年前から行われた武蔵野の新田開発は国分寺市が最多であることなどから、地場産野菜に物語性を持たせたブログやPR動画を作成。現在は22の飲食店がそれぞれに工夫したこくベジメニューを提供している。
また農家と飲食店の間を市民有志(こくベジ応援団)が取り持ち、旬の野菜情報や注文を集約したり集荷配達を請け負ったりしてもらえるようになったという。
今年度は店舗数を増やし、学校給食での使用量増と合わせて配達の効率化を進めたいとし、「こくベジの認知度が高まれば、やがては農地保全や定住促進につながるのではないか」と話した。
一方、地域住民が独自の活動で直売所を売り込んでいるのが「小金井 江戸の農家みち」だ。名付け親で代表を務める木版画家の村岡尚(ひさ)さんが説明に立った。
「農家みち」はJR中央線・東小金井駅と武蔵小金井駅から徒歩20分、五日市街道と小金井公園の間にある東西約1.5キロの小道。両脇に大小11軒の庭先直売所がある。屋敷林や生垣、蔵、寺社などもあり、「昔懐かしい風景が残ってほしい」との思いから愛称を付けた。3年前にはフェイスブックページを、1年前に会を立ち上げた。
会のメンバーは5人。そろいの旗を直売所とこれらの野菜を使う飲食店に掲げてもらうほか、自分の仕事の傍ら、その日並んだ野菜の紹介や四季の風景描写、近所のイベントなどの情報発信を行っている。
今後、ホームページの開設、ツアーの案内、料理教室の開催など取り組む課題は多いが、「一定の到達点で退き、自分たちにしかできないことを見極めながら活動したい」と語った。
第2部のワークショップは、事例発表を参考に「あったらいいなぁ、こんなプロジェクト」を五つのグループに分かれて考えあった。
「ヨガを行うなど畑を健康づくりに活用する」「農業体験や食のサービスを敷地内で供給することで人の交流を盛んにし、マンションに『村』を再生する」「生産、流通から調理、レシピ作りまで、高齢者がどんな作業にでも参加でき、特典も付く飲食店」などが提案され、それぞれに拍手が送られた。