幕末の大和国(奈良県)で、倒幕に決起した尊王攘夷(じょうい)派の志士集団「天忠組」を首都圏の人たちに知ってもらおうと、「天忠組シンポジウムin東京」が10月13日、東京都千代田区の有楽町よみうりホールで開かれた=写真。
今年は「奥大和に咲いた維新の桜―志に散った天忠組」を主題に4部構成。和太鼓の演奏の中で特大の和紙に「忠」の揮毫(きごう)、朗読というパフォーマンスで幕を開けた。
がんと闘いながら制作活動を続ける映像作家、保山耕一さんが8カ月かけ、天忠組旗揚げの場所となった五條代官所から40日間の敗走の足取り、リーダーである総裁らの最期の地などをたどった。各地で、美しくもありはかなくもある桜の表情をとらえ、志士たちの生きざまや志士との関りを今も伝える地元の人々の心情に重なり合う。
締めくくりは岡本さんと関係自治体の研究者らが「忠の名のもとに」と題して意見交換。優れた歌人がいたことや、総裁の辞世の和歌を紹介しながら人となりなどを語り合った。岡本さんは「奥大和が限界集落になる前に、志士たちの供養に訪れてほしい」と参加者に呼びかけた。(下の写真は和太鼓と書のパフォーマンス)