非常に強い台風21号が四国に接近し、朝の出発時から降っていた雨は、上信越道の群馬県山間部で濃霧となったが、トンネルの県境を抜けた長野県側は曇り空。降雨の跡がなく、道路の舗装は乾いていた。上田市滞在中は、正午ごろに短時間ポツポツきた程度で済んだ。
観光バス専用の上田城跡南駐車場で降りると、3人の観光ボランティアガイドが待ち受けていた。3グループに分かれて、二の丸堀跡のケヤキ並木遊歩道を進み、右手の階段を上る。今来た遊歩道をまたぐ「二の丸橋」を渡り、城内に入る。
南櫓(やぐら)と北櫓の間に構える櫓門は城への東の出入り口。明治になり売られた二つの櫓は遊郭に合体移築されたが、市民が買い戻して戦後に元に戻し、平成に入って櫓門も復元されたという。
櫓門をくぐり、受験生に人気の眞田神社、抜け穴伝説のある真田井戸、真田氏の後に入った仙谷氏が再興して今も残る西櫓、失われた隅櫓の跡――と本丸跡の土手上をぐるりと回った。
城にまつわる説明のほか、二の丸橋を渡ってすぐのシダレグワ並木、櫓門近くのしだれ桜、土手の道に落ちた多数のムクロジの実など植物についての解説も楽しめた。
上田城は真田昌幸の築城から400年余り経つが、徳川の大軍を2度も撃退した真田氏40年の歴史が突出して知られる。2年前の大河ドラマはブームを呼んだ。だが、この日は台風接近のせいもあってか、到着時、帰りとも広いバス専用駐車場には私たちの1台しかなかった。(下の写真は駐車場から見た南門=手前、上田城のジオラマ=博物館別館)