秋田始発の2両編成の普通列車はすいていたが、大曲で新幹線利用の観光客がどっと乗り込んできて、座れない人もちらほら。
横手駅の観光案内所で案内図をもらい、「かまくら館」へのルートを教えてもらう。10分ほど歩くと道路の向こうに光明寺公園があり、NHKテレビで人気の「チコちゃん」の雪像や人が入れる大きさのかまくらが現れた。
ここから市役所方向にかけての道路公園にかまくらが並び、6カ所ある祭り会場の中で最も数が多いという。
かまくら館の向かいの中華料理店に入った。昼時なのに客はまばら。注文した中華丼はスープが付き、消費税込みで530円と安い。
空腹を満たし、まだ人通りの少ない会場をぶらぶらした。市役所前のいくつかのかまくらには「先取り体験 貸出中」の立て札が出ていた。内部をのぞくと、正面の神棚に「水神様」をまつり、ござの上に座布団を敷き、真ん中にこんろが置かれていた。事前予約が必要のようだが、座って周りを見回す程度の短時間であれば、待たずに体験できそうだった。
かまくら館で、午後1時半開演の「横手かまくら冬語り」を聞くことにした。横手ふるさと語りの会「とっぴんぱらりのプー」の会員8人が2話ずつ語る。前半の8話を聞いたが、方言の意味がわからず、会場の笑いについていけないことが多く、うかつにも時々うとうとする始末だった。
1話目が終わり、「横手万歳」の復活と取り組む夫婦が出演。自身は「見たことがない」と言うが、それぞれに異なる言葉のかけあいの妙や身振りの面白さから正月を祝う気分が伝わってきた。男性は「みなさんにいろいろ教えてもらい、芸に生かしたい」と民俗芸能の保存へ意欲を語った。私も拍手を送った。
すれ違う何人かの児童たちはバケツを手にしていた。ミニかまくらを作り上げて下校する途中のようだ。「こんにちは」と声をかけてくる子が多い。
夜の巡回バスで聞いた説明では、約600個あり、ほぼ全校児童数と同じだ。穴の中には健康を祈ったり、「中学校でも友達と仲良くできますように」と願いごとを書いたりした紙が置かれていた。
横手川沿いの広い通りに出て、橋を渡って間もなくの横手セントラルホテルに午後4時ごろチェックインした。ホテルの玄関前にもやや大ぶりのかまくらが1基作られていた。