考古、神道、新たに刀も 国学院大学博物館を訪ねる

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西東京市市郷土文化会の3月例会は5日、東京・渋谷の国学院大学博物館であり、31人が参加した=写真は学芸員の説明を聞く会員たち。

 JR恵比寿駅西口に集合し、博物館へは徒歩で20分ほど。学芸員から展示室の構成や見どころなどを聞き、考古、神道、校史の三つのゾーンからなる常設展示室と、特別展「神に捧(ささ)げた刀」(16日まで)を自分が好きなように約1時間見て回った。

 特別展は弥生時代の銅剣と銅矛に始まり、といで下層の鉄がピカピカになった古墳時代後期のものとされる直刀など刀剣8本が時代順に並ぶ。武器としての銅剣は朝鮮半島からもたらされ、6世紀には鉄製直刀が多くなるという。

 まっすぐな刀が反りを持つように変化していく平安時代10世紀ごろの太刀や、戦国大名北条氏綱鶴岡八幡宮に奉納した太刀(国指定重要文化財)、昭和の名工が模して作った徳川家康の愛刀もあり、刀剣本体だけでなく、神や神社との関係の歴史をたどることができる。

 常設展の考古ゾーンは数多い土器、土偶の展示が印象的だ。つぼの胴部のほぼ全体が人の顔、口縁部からはバンザイをするような短い手が飛び出す―「挙手人面土器」は日本でここにしかないという古墳時代の出土品。

 ホールから神道ゾーンに一歩入ると、大きな岩を重ねた展示物が目に留まる。奈良盆地三輪山のふもとにある山ノ神遺跡(古墳時代後期)で見つかった、祭祀のための磐座(いわくら)が復元されている。「5世紀から6世紀にかけてのこの時期が神道の源流と考えられる。これより前は考古学」と学芸員。だから、磐座は考古ゾーンにはみ出ている。

 見学後、学食で昼食を食べていると、はかまを着けた白装束の男女が続々と入ってきた。聞くと、国学院大の学生ではなく、「1カ月研修で各地から来ている」と言う。神主を養成しているのは、この大学と伊勢神宮だけと学芸員が話したことを思い出した。

 この後は自由参加で近くの白根記念渋谷区郷土博物館・文学館を訪ねた。1964年の東京五輪聖火リレー写真、1933年ごろの忠犬ハチ公の写真など初公開のものが多い「新収蔵資料展」(24日まで)が開かれていた。
(下の写真はいずれも考古展示室)
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