<西東京市議会>交通不便地域 6月からタクシー利用し実証実験

 道路が狭く、コミュニティーバス「はなバス」を運行できない公共交通空白地域で、タクシーを利用した実証実験が6月から行われる見通しとなった。定例会の代表質問や関連質問から具体的な内容も明らかになってきた。

 対象地域は向台1丁目、南町2丁目、柳沢2~5丁目で、西武新宿線田無駅から西武柳沢駅にかけての南側。南町地区会館または新柳沢団地と田無庁舎(田無駅南口付近)を結ぶ2ルートと、柳沢第三市民集会所と西武柳沢駅南口周辺を結ぶ1ルート。

 各ルートの乗車場所は2~3カ所だが、降車は駅周辺や団地内など一定の区間で都合のよい所を指定できる。

 運行日は各ルート週2日(日曜を除く)で、時間帯は午前10時~正午と午後2~4時。定時制でなく、運利用時間内にタクシーが1台または2台で乗車場所を行き来する。運賃は田無駅方面が300円、西武柳沢駅方面は150円。

 対象地域の住民で65歳以上の人、妊娠中の人、世帯に3歳未満子どもがいる人に利用者カードを発行する。利用者カードを持っている人と一緒であれば、介助や付き添いなどの人も同じ料金で利用できる。

 田無駅方面への利用者は駅北口での乗降希望が多いのではないかとの質問に、丸山浩一市長は「北口の駅前広場は路線バス、はなバス、タクシーが乗り入れ、とくにタクシーは3社が乗り入れているので、一般のタクシー利用者に混乱を招きかねない」と述べた。

 また片道300円の料金は年金生活者にとって厳しいという声があるとの指摘に、市長はバスやタクシーへの影響を配慮し、はなバスの収支差への市の補助実績も勘案したと答えた。

 市は6月から3カ月を実験期間とし、運行補助金(車両の時間借り)など約400万円を新年度一般会計予算案に盛り込んでいる。

 市は昨年春、学識経験者やバス、タクシー事業者、商店街や地域包括支援センターの地域内事業者、市民委員の計16人で「移動支援のあり方を考える勉強会」をつくって意見を聴き、庁内プロジェクトチームで検討してきた。