江戸―現代東京 水道400年をたどる


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 西東京市郷土文化会の4月例会が2日、東京都水道歴史館(文京区本郷)であり、24人が参加した=写真は江戸時代の木製水道管。

 歴史館はJR中央線御茶ノ水駅から徒歩で約10分。2組に分かれ、それぞれに「アテンダント」と呼ばれる係員の案内で、2階の「江戸上水」、1階の「近現代水道」の展示室を1時間ほど回った。

 東京の上水道の起源は1590(天正18)年の小石川上水とされ、これが発展した神田上水玉川上水など五つの上水が100万都市・江戸の水需要を賄った。

 江戸時代の水路は計152キロだが、現在は約2万7千キロで、「地球3分の2周になる」と言う。江戸上水はLEDパネルで見ることができ、玉川上水を開設した兄弟のドラマはアニメと人形劇で紹介される。

 都心で発掘された、木製の水道管の木樋(もくひ)、再現された長屋と上水井戸などのポイントで当時の技術の高さや庶民の水を守る活動が説明された。

 明治時代は水質汚染コレラの大流行があり、欧州の技術を導入して淀橋浄水場(後に廃止)、大正時代には村山上貯水池や境浄水場、戦後は小河内ダムなどが整備された。

 上水道は今、多摩川水系からの供給割合が19%、利根川荒川水系78%と大きく様変わりした。浄水場11カ所になり、災害時の給水ステーションは200カ所を超えたという。

 水の出口が竜をかたどり、「蛇口」の語源になったという鉄製の共用栓、牛馬・犬猫・人間用と三つの水飲み口を備えた水道栓「馬水槽」、直径約3メートルと国内最大級の水道管は触ってみたくなる展示物だ。

 展示の終盤では3%と低い漏水率と、浄水場でオゾンと活性炭を使い臭いなどを消した高度浄水処理が100%に達したことが語られ、「東京水」のペットボトルが全員に贈られた。

 同館は入館無料。毎月第4月曜休館。団体見学は予約が必要。
(下の写真は玉川兄弟の奮闘を描いたアニメと人形劇、馬・犬・人それぞれの水飲み場を備えた明治時代の馬水槽)
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