縄文遺跡群 世界遺産登録1周年でフォーラム

縄文遺跡群の世界遺産登録に携わった専門家が意見交換

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録1周年を記念する東京フォーラムが1月29日、東京・有楽町朝日ホールで開かれ、約700人が講演などに聴き入った。

 

 北海道、青森県秋田県岩手県と遺跡のある14市町でつくる縄文遺跡群世界遺産本部(本部長・三村申吾青森県知事)が主催。三村本部長は「世界遺産の価値と魅力を広く知ってほしい」とあいさつし、裏地に4道県の地図をあしらった背広を脱いで見せた。

 

 講演では、文化庁世界遺産を担当する文化財調査官の鈴木地平氏が、縄文遺跡群の世界遺産登録の意義について、「人類の知らなかった1ページを学べる。世界の人にもうれしいことだ」と述べた。

 

 縄文遺跡群世界遺産協議会長で三内丸山遺跡センター所長の岡田康博氏は自治体の結束や文化庁との調整など登録までの長く厳しかった道のりを振り返り、「遺跡は一つ一つに個性と価値がある。全部を見てほしい」と訴えた。

 

 最後に考古学など専門の立場から登録に向けて携わった2氏を加えて意見交換し、裏話を明かしたり、保全と活用について語り合ったりした。

 

 「現地でボーっとしているだけで気持ちよい」「出土品を見ると、自然と感動の声が出る」「風に吹かれ、過去と対話して」――締めくくりは、みんなが遺跡訪問への呼びかけだった。