「映画のまち」調布を体感 郷土文化会例会

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 西東京市郷土文化会の3月例会は5日、30人が参加して調布市内で行われ、「映画のまち」を体感した。
 JR武蔵境駅南口に集合、小田急バスで調布北口下車、徒歩で京王線調布駅へ向かい、同駅から1駅先の京王多摩川駅へ。市立郷土博物館では高さ1.5メートル、強化プラスチック製の近藤勇座像に迎えられる。学芸員西東京の小・中学校を卒業したという縁があった。
良質で豊富な地下水が、フィルム現像に大量に水を使う映画産業にマッチした。昭和30(1955)年前後には市内に大映、日活など撮影所が3カ所あり、現像、美術などの関連産業が集中していたという。「水と映画」ということでは、東映の撮影所がある練馬区大泉に荒川水系白子川があるのと共通するそうだ。
旧石器時代からの出土品などを展示する2階では、日本最大とされる縄文晩期の土製耳飾り(複製)が興味深かった。直径約10センチの、手の込んだクッキーを思わせる。本物は小金井公園内の江戸東京たてもの園にあり、国の重要文化財に指定されている。
多摩地方で初めて電球がともったのが調布町(当時)と初めて知った。京王線の前身の鉄道が開通するのに先駆けて電球が貸し出され、大正2(1913)年元日に点灯した。
博物館を出て、調布映画発祥の碑や物故した名優らの名前を連ねる映画俳優之碑にしばし往時をしのぶ。道の先には角川大映スタジオがあり、大魔神がたすきをかけて道行く人に「火の用心」を呼びかけていた。内部は見学不可。多摩川の川岸へ出て春めく日差しの下で昼食をとり、いったん解散。
日活調布撮影所も見学できなかった。同じ敷地にある映画の学校・日活芸術学院は今月、38年の歴史の幕を下ろす。卒業作品を制作しているのか、カメラを囲む一団が見えた。
東側一帯に国指定史跡の下布田(しもふだ)遺跡が広がるという郷土博物館の分室に立ち寄った。先の耳飾りはここから出土した。布田駅まで歩き2度目の解散となった。(写真は、左から郷土博物館に展示されている昔の映写機、耳飾りの複製、正面入り口から見た日活撮影所)
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