ホタルの復活や自生ホタルの保護活動などと取り組む団体が3月9日、西東京市コール田無に集まり、事例発表などを通して交流を深めた。
生態観察ビデオ「ホタルの一生」を見た後、日本ホタルの会副代表の鈴木浩文さんが「ゲンジボタルのDNA解析について」と題して基調報告した。ゲンジボタルは発光間隔が4秒のものは関東に、2秒と短いものは関西に多いことが知られているが、雄の活動時間や雌の産卵行動も東西で違うように生態は遺伝的な違いによること、地域と分布が密接に関係していることを解説。(1)本来生息していない地域へ移植しない(2)もともといるものを保護する(3)自生のホタルが絶滅した場合は、最も近い水系のホタルを導入する―と「ホタル移植の3原則」を示した。
事例発表ではMeC西東京代表の末光正忠さんが40~50年前まで石神井川がホタルの名所だったこと、まず清流を取り戻すために河川清掃を行っており、いこいの森公園と千川上水でホタル生息の適地かを調査していると話した=写真。
立川市の「玉川上水の自然保護を考える会」ホタル育成部長・萩本悦久さんは、会で砂川公園のビオトープを整備してホタルの幼虫を放流し、小学校に出前授業をしたり公園で観察会を行ったりしている。玉川上水では昨年、自生のゲンジボタルを約200匹確認できたという。
首都大学東京の自然史研究会長・菊地波輝さんは会員10人が南大沢キャンパスで植生と昆虫を重点的に調査していることを紹介した。(写真下は小平市でホタルを飼育している人が持ち込んだ幼虫と餌のカワニナ、タニシ)