飲食グループ店の日曜朝市好評 武蔵野テーブル

イメージ 1
西東京産などの減農薬野菜とそれを使った総菜などを月に1度、店の前で安く販売する、飲食店運営の「武蔵野テーブル」の日曜朝市が主婦らに好評だ。3月17日、この朝市を訪ねた。
田無駅に近い中華料理店「墨花居」前の通り。午前8時半からの売り出しを待ち、約20人が並んだ。テラスに置いたテーブルの上には約20種類の野菜や卵パック。ホウレンソウ200円、ダイコン150円…。「それほど安くはないけれど、減農薬栽培の安心感があり、新鮮でおいしい。カブやラディッシュとか、生かさっとゆでて食べるものはここで買います」と行列の先頭にいた40代の女性。数量限定ながら、通常350円の卵パック(10個入り)が50円という破格値も魅力だそうだ。
 農産物の先のテーブルには同店の中華総菜やグループ店「武蔵野食堂」のイタリア料理の総菜、だししょうゆなど普通なら取り寄せ品の調味料などが置かれていた。店内では東久留米産の小麦粉を使っただんご汁200円やコーヒーと軽食のセット300円のできたても食べられ、それを朝食にする高齢者でにぎわった。
 墨花居田無本店長の堀内正也さんは「店、農家、消費者、地元のみんながつながり合えたらと、ずっと考えて」きて、昨年9月、今のスタイルに踏み切ったという。
 グループ店の農産物の取引先は、西東京市のニイクラファーム、矢ヶ崎農園、田倉農園、東久留米の篠宮ファーム、東村山の安田農園のほか千葉県に3農家ある。野菜なら仕入れ値に10円、20円を上乗せすることもあるし、仕入れ値を切って出すこともあるという。「もともと朝市でもうけようという気持ちはありませんから」と堀内さんはきっぱり。娘が同店でアルバイトをしているという買い物客の女性も「朝早くから従業員を動員しているし、利益はほとんどないと娘から聞いています」と話した。
墨花居の向かいの「武蔵野菓子工房」も同じグループ店。品数限定でクッキーなどの焼き菓子2千円相当分が500円で売られ、すぐ売り切れた。スイートポテトは100円、あんみつ300円、レアチーズケーキ1900円なども午前10時までは通常価格の2050%引きで販売された。
堀内さんは「まだブースが小さく、やっと一歩を踏み出したばかり。自店舗の前だけでなく、通りいっぱいに朝市を展開でき、にぎわいを取り戻せたら」と夢を語った。