迷惑電話撃退モニター 申し込み低調 振り込め詐欺被害多いのに

イメージ 1
振り込め詐欺悪質商法の入り口となる電話の着信段階で魔手をはねのけようと、西東京市は電話会社やシステム会社、警視庁と連携して悪質電話の撃退実験を始めた。60歳以上の人がいる世帯が対象で、電話機に小型の箱型機器をつなぐと、相手が警察のブラックリストに載っていれば機器に赤ランプがつくなどの仕組み。機器の利用料は1年間無料。市はモニターを募集しているが、市民の反応は芳しくない。
8月13日午前のアスタ2階センターコート。モニター募集のイベントが行われ、田無署の担当職員が同署管内(西東京市東久留米市)の振り込め詐欺の被害状況などを話した。それによると、今年に入ってからの発生件数は56件、被害額は約1億4千万円に上り、件数・金額とも昨年1年間の実績を超えた。警視庁管内(都内)の警察署でトップの多さともいう。被害者は70代が最も多く、次いで60代、80代の順。
被害が多い理由について担当者は「田無に被害が多いと知った〝新規参入〟の詐欺グループが田無を狙ってきている」。最近増えている「受け取り」の巧妙な手口を詳細に説明したが、今回のチェック機器が「最後のとりで」と強調した。この機器はこれまでに詐欺グループが使ったすべての電話番号のほか、悪質な勧誘商法で使われたものも赤ランプで警告する。
また市消費者センターの担当者は、注文していない健康食品を「記録が残っている」などとして代引き配達で強引に送り、数万円を支払わせる「送り付け商法」の相談が5、6月に相次いだことや、一昨年には投資詐欺による6千万円の被害相談があったことを明らかにした。
このため市は全国に先駆けて消費者庁のモデル事業に応じ、電話会社などと機器の無償貸与などに関する協定を結び、警察の協力も得たうえで7月から広報紙やホームページでモニターを募集。新町福祉会館(7月22日)を皮切りに10カ所で説明会を開くことにしている。電話会社によると、申し込み後1~2週間で利用できる。
これまで8カ所で説明会を終えたが、1千台の募集に対し申し込みは「100台に達していない」(協働コミュニティ課)という。募集期限は9月20日。申し込みが低調なことについて電話会社の人は「機器自体が知られていないのかもしれない」と話すが、「自分だけは大丈夫と思っている人が多い」「有料の番号表示サービスに入っていなければならないという条件がネックになっているのでは」との見方もある。
イメージ 2イメージ 3