高橋家の屋敷林 西東京市が買い取り保存整備

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 西東京市は、東京都内で最大級といわれる「高橋家の屋敷林」=写真、下保谷4丁目=を買い取り、保存することが本決まりとなった。
 このほど定例市議会で可決成立した今年度の一般会計予算に、下保谷4丁目特別緑地保全事業として総額約9億1700万円が計上された。このうち今年の用地買収費は約9億1200万円で、複数年の分割払いで購入を進める。
 この屋敷林は面積約1.1ヘクタール。西武池袋線保谷駅に近く、家や蔵の周囲をケヤキヤマザクラシラカシなどの大木が取り巻き、竹林もある。庭などの維持管理はボランティア団体にゆだねられ、文化財ウイークのイベントや子どもの学びの場などに開放されている。
 市は2010年から土地所有者、都と協議を重ね、昨年、まず都市計画審議会から特別緑地保全地区の指定を受けた。特別緑地保全地区はほぼ現状凍結する厳しい規制がかかるが、税制面で優遇される。
 市の買い取りは来年度からの予定だったが、財政負担を平準化するために計画を見直し、購入時期を1年前倒しした。国と都の補助金、地方債で買い取りに入るほか、用地の測量、鑑定、登記を行い、標示板を設置する。
 買い取り総額は20億円を超えるとみられ、市は都に補助金の増額を働きかけていく。ただ、補助制度が来年度で終わる予定とされ、今後の課題となっている。