タマネギ苗植え 農業講座最終の作物

来年6月の収穫を楽しみに赤タマネギの苗を植え付けた

 西東京市谷戸公民館の「農業を知る講座」は12月5日、15種類目の野菜となるタマネギの苗を植え付けた。講座最後の作物で、収穫は来年6月になるという。

 

 2度目の臨時講座で、今シーズン一番の冷え込みのなか、先生が植え方の手本を見せた。

 

 品種は、大玉で外皮が赤紫色の「猩々(しょうじょう)赤」。苗は9月下旬に種をまき、細長い葉が20~30センチに育った。

 

 苗畑にフォークを刺しこんで土を持ち上げ、根の土を落として各班約200本を抜き取った。定植する畑には先週肥料をまいてマルチシートを張ってあり、今日はレーキの柄の先で深さ10センチほどの穴を作り、白い根を植え込む。

 

 このとき気をつけなければならないのは、芽を埋めないこと。一方で、浅すぎると根が霜で持ち上げられてよくないという。丁寧にやる分、時間がかかり、腰への負担も小さくない。

 

 植え終えたらビニールでトンネル形にうねを覆う。ビニールの中に気泡が入っていて、夜間の放射冷却や凍害を防ぐ。穴が開いているのは日中の内部の温度を下げるため。15年から20年使える優れモノだそうだ。

 

 このあとは来年2月に芽キャベツを収穫する際に追肥をするという。

 

 収穫物は青首ダイコンと聖護院ダイコンが各1本、カブ5個。千枚漬で知られ、丸々とした聖護院ダイコンは初収穫で、「もう一回り大きくなります」と先生。家で測ると直径は約15センチあり、妻は「どうやって食べよう」と戸惑っていた。

 

 ニンジンは品種違いを3本ずつで計6本。先生は自分の畑に施さなかった追肥を受講生の畑で行った結果、「私の畑のものよりも一回り大きい」と苦笑い。

 

 持ち帰りのかさを考えてこの日の収穫メーンは根菜類。葉物はホウレンソウ5~6株にとどめた。

復活へ動く「女性出家者」 武蔵野大で公開講座

 武蔵野大学仏教文化研究所が「仏教における女性」を統一テーマに開いてきた連続公開講座(全6回)の最終講座は12月3日、同大武蔵野キャンパス(西東京市)であった。

 

 駒沢大学講師の八尾史(ふみ)氏が「律蔵における女性」と題して講演した。

 

 律蔵とは古代インドでブッダが定めたとされる出家修行者の規則を集めた文献。部派ごとに数百年かけて作られ、6種類が現存する。個人が守るべき条項と集団運営の規則(行事、紛争調停、物品の分配など)からなる。

 

 規則の対象は比丘(びく)と呼ばれる男性出家者を基本としており、女性出家者(比丘尼)は例外として扱われているという。男女の違いの例として「比丘の三衣(さんえ)」に対し、胸を隠すなど着衣が2枚多い「比丘尼の五衣(ごえ)」がある。

 

 女性が在家信者になり最終的に比丘尼となるためには大きく4段階の手続きを経なければならない。最後の手続きは348の規則を5人の出家者集団から受ける「受戒」。しかし比丘尼受戒は漢語仏教圏を除いて伝わらなかったり断絶したりした。

 

 それが現在は復活しようとしていると八尾氏は言う。パーリ語圏ではスリランカの女性集団が韓国や台湾の比丘尼集団の助けを得て受戒。ただパーリ仏教の規則では受戒と認められない。

 

 チベット仏教界では「比丘尼の資格」とは別に、男性出家者が17年かけて獲得する「学位」を女性も獲得できるようになった。

 

 八尾氏はチベット尼僧たちの学位取得の動きについて、「仏教の世界では重大な出来事。未来がある」と話した。

「みどりの散策路」今年最後のウオーキング

まだ多くの花が咲く保谷町ローズガーデン

 西東京市主催の「『みどりの散策路』を歩こう」は11月30日、西武新宿線西武柳沢駅を発着点とする上保谷コース(3.8キロ)であり、17人が参加した。

 

 ウオーキングマップ作りに協力した西東京自然を見つめる会の会員がガイドを務める。今年度は全14コースのうち4コースで行うことにし、この日が最終回。

 

 古くからの街道が交わる地点にまつられる市指定文化財青面金剛庚申像(しょうめんこんごうこうしんぞう)や六角地蔵石幢(せきどう)、戦闘機のエンジンをテストする工場に輸送するための軽便鉄道の軌道があった西武線下のガードなどの歴史遺産に触れた。

 

 一方、雨上がりの穏やかな陽気に恵まれて晩秋の風景も味わった。種が羽根つきの羽根の球や数珠に使われるムクロジの大木を保谷障害者福祉センターの庭に見て、地面に落ちた実や種を拾った。

 

 約160品種のバラを8つのテーマで分類した保谷町ローズガーデンでは、今も見ごろの品種が多くあり、参加者たちはしばし足を止めて花の色や香りを楽しんだ。

農作物収穫の喜び伝えよう 絵はがき用に写真撮影

収穫作業に励むグループにカメラを向ける小野さん(手前)

同じグループ内では撮ったり撮られたり

 あなたの農業体験の喜びを絵はがきで送って――。収穫作業たけなわの実習畑で11月29日、絵はがき用の写真を撮った。

 

 西東京市谷戸公民館主催の「農業を知る講座」で座学の先生を務めるパートナーシップ支援センター理事長、小野紀之さんがこの時期、ボランティアで絵はがき作りと取り組む。

 

 防水防塵(じん)デジタルカメラを4つの班に1台ずつ預け、収穫作業や喜びの表情を撮り合ってもらう。写真はすべてプリントされ、写された本人が気に入ったものを数枚選んで申し込むと、後日絵はがきとして渡される。

 

 「都市農業は周囲の理解がないと成り立たない。体験の楽しい様子の写真を知り合いに見てもらうことで農業の理解者が増えれば」と小野さん。

 

 小野さん自身も各班を回ってカメラを向け、最後は参加者全員が集合して記念撮影をした。

 

 春菊は残りを全部収穫し、1人当たり2~3袋分となり、ホウレンソウはこれより多め。ダイコン2本、カブ4個、ニンジン4~5本、晩生のキャベツ1個、白菜またはブロッコリー1個と、先週を上回る収穫量となった。

藤ノ木古墳 最新の研究成果を公開

橿原考古学研究所の専門家が藤ノ木古墳の研究成果を発表した会場

公園に整備された奈良県斑鳩町藤ノ木古墳

 奈良県橿原考古学研究所の東京公開講演会「大和の中の東アジア~藤ノ木古墳~」が11月27日、有楽町朝日ホールであり、約600人が最新の研究成果に聴き入った。

 

 斑鳩町藤ノ木古墳は6世紀後半に築かれた直径約50メートルの円墳。1988年に未盗掘の石室と家形石棺が調査され、精巧で豪華な金銅製馬具などの副葬品が大量に出土し脚光を浴びた。石棺内外の出土品は2004年に国宝に指定された。

 

 講演では、発掘調査を担った同研究所の前園実知雄・特別指導研究員が、2人の被葬者について、日本書紀の死亡記事や墳丘の形、被葬者の骨格、副葬品などから「蘇我氏に殺害された穴穂部皇子(あなほべのみこ)と翌日に殺された宅部皇子(やかべのみこ)と考えられる」と述べた。

 

 石棺内から出土した刀剣については、同研究所の水野敏典資料課長が講演。朝鮮半島由来とみられる装飾性の強い大刀にも日本の復古的なデザインが採用されており、被葬者が自身の立場の正統性を主張したと考えることができると話した。

 

 同研究所保存科学研究室の河﨑衣美・主任研究員は、2021年度から10年以上かけて出土品の再修理事業に取り組むとし、初年度に扱った銅鏡や刀身などの状態と修理内容を説明。「出土品一つ一つの個性に合わせて修理し、新たな知見への道筋をつけることで藤ノ木古墳を未来へつなぎたい」と締めくくった。

最前席で見た熱演 春風亭一之輔独演会

終演後に貼りだされた春風亭一之輔独演会の番組

 11月26日、春風亭一之輔独演会が三鷹市公会堂であった。ここでの独演会は3回目と本人が言っていたが、私はひいき筋でもないのに皆勤賞。インターネット予約で最前列を確保できたのは功徳か。

 

 最前列の席とはよいものだ。足を投げ出せるし、高座との間に他人の頭がない。見上げる噺家(はなしか)の顔はチラシほどイケメンではない。ほとんど肉声で聞こえる。同じ料金なのに。

 

 今日の一之輔は疲れただろうな。前半の高座は「反対俥(くるま)」におまけの「粗忽(そこつ)長屋」の2作を演じ、後半は「猫の災難」。老いたにわか車夫のヨレヨレぶり(反対俥)、言い訳を重ねて一口また一口と飲んではならぬ酒を飲み、畳にこぼした酒をも吸い上げるのんべえぶり(猫の災難)と、体を張っての熱演。

 

 サッカーW杯で日本が強敵ドイツに勝ち、歓喜する世相に「まぐれでしょ」と冷水を浴びせ、古今亭志ん五を独演会に呼んでいながら「へらへらしているやつ」などとこき下ろす。毒のあるマクラにも笑った。

白菜、カブも収穫 農業講座

 西東京市谷戸公民館主催の農業を考える講座は11月22日、初収穫となる白菜とカブを収穫し、玉ネギの苗を植える準備作業をした。

 

 最初の作業は芽キャベツの葉落とし。葉が立ち上がっている上部の15枚前後を残す。葉の付け根を指で押すとポロっと取れるので、そう難しくない。一番下に付いている球は結球せず、養分を吸って葉になってしまうので取り去る。食べても差し支えないという。追肥も行った。

 

 枝豆を収穫して空き地だったところは来月初めに玉ネギの苗を植え付ける。これに備えてカキ殻石灰やもみ殻石灰、燻炭など6種類の肥料、土壌改良剤などを手でまく。先生が耕運機で耕してくれた後、黒ビニールのマルチを張った。

 

 収穫作業は前週に続くものが春菊、小松菜、ニンジン、ダイコン。春菊と小松菜は1人当たり3袋分ほど、ニンジンは品種別に1本ずつ計2本、ダイコンは青首を2本。

 

 白菜は1人当たり1個、カブは5個とし、どちらも日当たりのよい北側のうねで大きく育ったものを選んだ。白菜は1個抱えるのがやっとの大型重量級。

 

 わが班には毎回、1人分ずつ葉物を新聞紙で包み、ダイコンの葉はひもでくくってくれる女性たちがいる。持ち運びしやすく、かごなど入れ物への収まりもよく、おおいに助かる。感謝。

 

 作業終了後、長老から自家製トウガラシのプレゼントがあり、「1本は来年4月に種をまいて栽培してほしい」。

 

 この日は冷え込みが緩み、穏やかな小春日和。久々に汗ばんだ。収穫物の総重量もこの秋一番となり、参加者たちは自転車の前後のかごを満杯にしたり、膨らんだリュックを背にしたりして家路についた。