「仏教と心身の健康」テーマに 武蔵野大 連続公開講座始まる

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 「仏教と心と身体の健康」をテーマとする武蔵野大学仏教文化研究所の今年度の連続公開講座が、59日から武蔵野キャンパス5号館で始まった。初回は小西達也・同大看護学部教授が「終末期と向き合う心」と題して話した=写真。
 
 小西さんは、終末期の患者などの心のケア(スピリチュアルケア)を行う専門職である「チャプレン」の教育を米国で受け、東札幌病院などに勤務して2013年春、現職に転じた。
 
 チャプレンという仕事は欧米の病院やホスピスでは一般的だが、日本ではほとんど知られておらず、「気持ちがつらい時に話を聞いてくれる先生ですよ」と病院側に説明してもらうことで患者に受け入れられたという。
 
 小西さんは、終末期と向き合う心について「ケアする立場」と「患者自身の問題」に分け、どうあればよいかを述べた。
 
 このうち患者自身が終末期にするべきこととして(1)人生の総決算(2)死生観の学び(3)残された時間の「生き方」の工夫(4)マインドフルネス(瞑想時の心の状態)、「気づき」の実践―を挙げた。
 
 なかでも終末期は一般に「死といかに向き合うか」が最大のテーマと考えられやすいが、むしろ「残された時間をいかに生きるか」という、生き方の問題と言った方が適切だと強調。余命1カ月の患者がどう生きるかに集中した様子を紹介しながら、人生の目的や生き方を自ら見出していく力を早いうちから養っておくことが必要と述べた。
 
 この日は約150人が受講し、熱心に聞き入った。講座はこのあと5回開かれる予定