戦国末期の名城・八王子城 山城の堅固な守りを体感

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 北多摩自然環境連絡会主催の「八王子城跡を訪ねる」は610日、多摩地方各地から歴史好きの12人が参加して行われた=写真は本丸跡。
 
 今年度の活動テーマ「北多摩の緑と水と歴史を訪ねる」全5回の1回目。
 
 JR中央線高尾駅北口に集合し、バスで霊園前下車。その先の八王子城跡入り口交差点を左に入る。まず右の山手にある北条氏照の墓へ。
 
戦国末期に関東屈指の山城・八王子城を築いた氏照。しかし、北条氏の本拠の小田原城にいるうちに八王子城は豊臣方の軍勢に攻め込まれ、1日で落城した。氏照は小田原で切腹。その死から100年後、家臣の孫が供養のために建てたという。
 
 城跡見学の拠点となっているガイダンス施設に立ち寄り、地形の全景模型のあるエントランス広場を過ぎて鳥居をくぐり、いよいよ山道に入る。
 
 上るにつれて金子曲輪(くるわ)、柵門台、高丸と順に平らに広がる場所が現れる。金子曲輪などの下には、尾根を馬蹄形のひな壇状に造成して効率的に敵を迎え撃つ「腰馬蹄段」が残っている。
 
 柵門台を過ぎると道端の斜面に群落をつくるユキノシタが花盛り=文の後に写真。高丸から左回りの道を進むと八王子市内から新宿の超高層ビルまで眺望が開けた=文の後に写真。疲れを忘れるひととき。
 
 八王子神社(中の丸)を通り、テーブルやベンチを備えた松木曲輪(二の丸)で昼食。
 
 食事後は松木曲輪から小道を少し下りて井戸を見た。手押しポンプが取り付けられ、今なお水量は豊かだ。神社へ戻り、背面の道を上ると標高約470メートルの本丸。平地が広くないので天守はなかったと考えられている。
 
 再び神社に戻り、御嶽社のある小宮曲輪(三の丸)へ。対のこま犬の片方はわが子に寄り添っているのが印象的だ。ここから柵門台までは来た道を戻り、柵門台からは来た道の北側を通る大手山道(古道)を下りた。
 
 城跡管理棟の近くに案内板があり、城山川上流方向の御主殿跡へ向かう。途中、現在は埋め戻されている大手門跡と、落城時に武将や婦女子が自刃して上流で身を投げたという「御主殿の滝」に立ち寄った。大手門跡付近と滝との間にあるはずの、城山川に架かる「曳橋(ひきはし)」は外されていて見ることはできなかった。
 
 御主殿は城主・氏照の居館で、宴会などに使う会所は床が再現され、庭園の石組み、主殿の礎石なども復元されている=文の後に写真。
 
 御主殿跡の西端に本丸へ向かう別ルート「殿の道」があるが、訪れる人がいないせいか足元が悪く、残存する4群の大石垣のうち最下段=文の後に写真=にたどりついたところで進むのを断念し、御主殿に引き返した。御主殿からはバス停霊園前まで歩き、バスで高尾駅着。
 
 高尾駅発着で約7時間の歴史散策に、参加者たちは「見どころがたっぷり」「見逃しそうなポイントを押さえ、解説もわかりやすくて丁寧」と喜んだ。案内役の人は「それでも私の知っていることの5分の1程度かな」と話した。
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