被爆後も成長を続けるアオギリを見て東館(改修工事中)から入り、本館の展示へ。上空に広がる原子爆弾のキノコ雲、焼け焦げてボロボロになった衣服をまとって逃げまどう人々の写真から始まる。崩れ落ちた建物とさまよう人々のジオラマ、破壊された市街地のパノラマ模型、そして熱線、爆風、放射線による被害を遺品や遺物、写真でビジュアルに伝える。
本館を出て、公園の中を原爆死没者慰霊碑、平和の灯、原爆の子の像と進み、元安川に架かる元安橋を渡った。世界遺産の原爆ドームは、補強工事のための足場がのぞき見えた。相生橋の途中から公園に戻ると、観光客や修学旅行の児童生徒の姿がぐんと増えていた。
午前10時50分、バスは最後の目的地、安芸の宮島(広島県廿日市市)へ向かう。宮島口からフェリーに乗り、11時半すぎに宮島桟橋に着いた。昼食場所でもある土産店「だいこん屋」から女性の観光ガイドが付いた。
旅客ターミナルビルを出ると、さっそくシカのお出迎え。ガイドさんによると、シカは島内に約400頭いて、すべて野生という。シカせんべいは売っていないし、餌を与えないよう呼びかける掲示物も見られる。まち歩きマップはシカの好物のため、めったに土産店に置いていない。財布から札を出す時は要注意。レシートも食べるという。神の使いとされる奈良公園のシカとはずいぶん待遇が違うようだ。
表参道商店街の一角にある、長さ7メートル以上の「世界一の大しゃくし」に立ち寄った。だいこん屋に入ると、製造直売の温かいもみじまんじゅうが1個ずつ手渡された。昼食はアナゴのひつ蒸し。焼きガキも付いた。
混雑する神社の回廊や平舞台を一回りした。藤井フミヤの奉納コンサートが前日とこの日にあり、多数の機材が黒いビニールで覆われていた。
フェリーで宮島口に戻ったのは午後3時。新幹線で帰る人を広島駅で降ろし、広島空港(広島県三原市)に4時半ごろ着いた。空港の食堂でネギ盛りのお好み焼きを食べ、旅のグルメを締めくくった。(下の写真は厳島神社の高舞台、大鳥居)