境内では神職や巫女(みこ)に従い、朱傘で日差しから守られた新郎新婦らの列に、大勢の外国人観光客らがカメラを向けた。
御苑に入る。南池(なんち)にはスイレンが白やピンクの花を咲かせていた。後ろに見物客が続いているため、御釣台からの眺めもそこそこに花菖蒲(はなしょうぶ)田へ向かう。
16枚の田に150種1500株が植えられている。江戸中期から野生種を改良した「江戸系」で、白や紫、紺色などの花が立ち姿も美しく咲き競っている。
年間を通して15度前後という水温に「気持ちいい」と声を上げる人、まずは写真をと先にカメラを向ける人、「長く待つほどのものでは…」と覚めた人とさまざまな反応を見せていた。この水がハナショウブの田を潤し、南池にたまり、渋谷川の源流になっているという。
緑の葉が元気なヤマツツジの群落を抜け、御苑を出て、解散場所の大鳥居に着くと正午近くになっていた。
この日の東京都心は今年初めて最高気温が30度を超える真夏日。巨木が多くうっそうとした森のおかげで蒸し暑さも和らげられ、絶好のコース設定(約4キロ)だった。(下の写真は南池に咲くスイレンの花、清正の井戸)