内陸の雄大な風景 6月18日(日)2の2

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道東の大規模な畑作地帯の向こうに斜里岳がそびえる


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芝桜の丘が広がる東藻琴の公園。ピンク色の世界を想像する

 

 北海道上陸4日目は、言わば移動日。北見市の「塩別つるつる温泉」まで約200キロの行程だ。適当に見どころに立ち寄ろうと決めて午前9時、尾岱沼の民宿を出発した。

 

 国道244号を斜里町へ向かい、道道から国道334号に入る。渓谷に残雪がある斜里岳が見え隠れする。斜里岳はやがて、だだっ広い小麦とジャガイモの畑の向こうにそびえて見え、いかにも北海道的な風景。

 

 小清水町の農協スタンドで給油。小清水といえば「原生花園」だが、スタンドの人が「今は花がないよ」と言うので、そのまま334号を西へ。

 

 大空町東藻琴に入ると、ピンク色のシバザクラがまばらに咲く畑が目に留まった。「芝桜公園 苗畑」の看板が立つ。

 

 花の時期はとっくに終わっているに違いないと思いつつ、道内の芝桜の名所・滝上町と比べてどうなのかなと好奇心がわき、立ち寄ってみることにした。

 

 公園の駐車場に車は1台しかなく、入場門には案の定、「芝桜まつり終了」の表示があった。日当たりのよい斜面はすっかり緑の葉に覆われていたが、入り口近くの平地や木陰に、咲き遅れの花がわずかに見られた。

 

 後で調べると、農家がこつこつと増やしてきたものを旧東藻琴村大空町などが整備し、今では10ヘクタールの規模に。カンカン照りの下を少し歩き回り、「銀嶺水」と名付けられた飲用水の蛇口からペットボトルに水を補給させてもらった。

 

 来る時とは違う道を334号に戻る途中、「乳酪館」ののぼりが並んでいるのを見て立ち寄った。館内にはスイスから直輸入した大小のカウベルや集乳缶を展示したり、中世ヨーロッパのチーズ作りをジオラマで見せたりして、牛やチーズに興味を持ってもらう造りになっている。

 

 バター作りなどの体験やチーズ製造見学もできるが、日曜日は休み。カマンベールチーズソフト(350円)を食べ、体を内から冷やした。

 

 美幌町国道39号に入る。この先の北見市には20代のころ、3年半暮らし、その後も道東観光の中継点としてしばしば訪れたことがあり、なんとなく見知った風景。でも2006年に周辺3町と合併し、全道一の広さとなった。

 

 合併した旧端野町の国道脇に、そば店「いなだ」の看板を見つけ、南隣の置戸町に同じ名前の店があったことを思い出した。かなり大きな店構えで、大勢の客がいた。納豆そば(800円)を注文するついでに店員に聞くと、やはり本店は置戸にあるという。懐かしさはそばをよりおいしくする。

 

 北見の市街地を抜け、旭川方面へ進む。旧留辺蘂町温根湯温泉は新婚旅行で泊まった所。そこから7、8分先につるつる温泉への入り口があった。

 

 ここも厚沢部の友人の推薦だ。「お湯がやわらか。早朝、エゾリスがみられるかも」とメールにあった。民宿やビジネスホテルでの宿泊が続き、「たまに1万円超えのぜいたく宿を」と予約した。

 

 透き通って豊かな湯はかけ流し。古くからある内風呂「竜神の湯」の方が、露天風呂より濃いのが実感できた。食事は部屋食。料理も痛風患者にとっては好ましからざるものが多かったが、自己責任を言い訳に、不摂生と食べ過ぎを許したのだった。

 

 ちなみに翌朝、カウンターの人にリスの話をすると、「めったに出てきません」との返事だった。

 

 この日の走行距離は205キロ。