何が変わった? 西東京市の第2次まちづくり基本構想

西東京市のまちづくりの方向を示す第2次総合計画(2014年度から10年間)の基本構想と基本計画の中間まとめが、5月24日付の広報西東京特集号で公表された。前日には市議会の全員協議会で市(総合計画策定審議会事務局)の説明が行われた。合併後の10年を描いた現行計画からなにが変わり、新市長の所信はどう反映されたのか。広報紙からは読み取れない部分を紹介する。
<言葉を欲張る>特集号の表紙に抜てきされた「理想のまち」の4項目は、すべてに1語が加筆された。みんなで「つながり」支えあうまち、豊かで「明るい」活気あるまち、「安全・安心で」ほっとやすらぐまち、ひと・もの・ことが育ち「活(い)かされる」まち―のカギかっこ部分がそれだ。新しい時代への「期待や思いを足した」と市は説明した。
一方で格下げになった項目も。「まちづくりの方向」は現行計画では「協働で拓(ひら)くまちづくり」が6本柱の一つになっているが、今回は「みんなでつくるまちづくり」に変わり、協働はその下のまた下の施策としてぶら下がる。市は「協働は範囲が狭い」というが、政権交代で配慮したとの見方もあり、全員協議会では複数の市議が位置づけに疑問を呈した。
 まちづくりの方向体系図では、地域情報化の推進や上下水道の運営といった施策が一定の整備が進んだなどの理由で削除され、ごみ対策の推進、公害対策の推進は「より広い観点から取り組む」として、それぞれ循環型社会の構築、生活環境の維持に改められた。
 <新市長の色>市の説明によると、丸山浩一市長が選挙公約としていた政策は、大きくは「次世代への責任を果たそう」が基本構想の「策定の趣旨」と、理想のまちの4項目に共通するフレーズ「みんなの輝きを次世代につなぐ」に反映されているという。ほかにも、広報紙では割愛された基本計画の各論で、特別支援教育の充実や家庭の教育力の向上、健康宣言都市にふさわしいまちを目指すことなどが盛り込まれたほか、現行計画からいったん落とされた「温室効果ガス削減」が復活したという。
 ただ、全員協議会では一部の市議から、市長が中間まとめの段階で総合計画策定審議会に関与したのではないかとする疑義が出た。丸山市長は「審議会の正副会長と2時間ほど懇談した際に、自分の思いを話した。そのあと審議会で議論したのではないか」と述べ、直接的な関与を否定した。