西東京市内の小規模小学校4校の統廃合問題は、開会中の定例市議会の一般質問で多くの議員が取り上げた。一般質問最終日の12月5日、最後の質問に立った桐山ひとみ氏は「(答弁を)聞けば聞くほどわからなくなる」と述べたように、廃校となる泉小の児童を丸ごと住吉小に移らせたいとする市教委の方針をめぐる疑問はなお解消されていない。
市教委は最終報告書の基本方針で、住吉小を泉小の「指定校」とすることをはっきりと示し、議会答弁でも「交友関係を維持することが児童にとって最大の負担軽減」と繰り返した。
しかし、保護者らでつくる泉小統廃合対策委員会が10月に移動希望校を調査したところ、回収率は45%と半数を割ったものの、保谷小希望者が49人で7割を超え、次いで住吉小10人、谷戸二小5人、未定3人との結果が出た。
市教委は、指定校への移動を「強制しない」としながらも、保護者への働きかけは「これからも続ける」という。保護者側の調査結果について「信ぴょう性に欠ける」「不安を助長させている」との発言もあった。
市教委が丸ごと移動にこだわるのは、指定校の改修、改造への財政支援と教員加配という人的支援が1校に限られるためのようだ。ただ財源確保については「国、都と調整中」としか述べていない。
統廃合の実施が2015年度とされていることから「今議会に補正予算を出し、早めに対応する必要があったのではないか」(大友かく子氏)との指摘には、「大がかりな改修工事は夏休みに実施しなければならず、来年度予算に組んでも同じ」と答えた。また「財源の裏付けが見えていない」(桐山氏)には「(来年度)予算を説明できる段階にきたら説明する。その後、意向調査を行う」と述べた。