大丸用水は多摩川から取水し川崎市登戸に至る農業用水で、17世紀ごろ造られたとされる。現在は親水公園として整備され、カモの親子やコイが泳ぐ様子を楽しめ、所々に小公園があった=写真。近年、多摩地方では珍しいレンゲ畑もあり、わずかに残った花がそれを知らせていた。
用水がいちょう並木通りと交差し、水路が道路の下をくぐる地点(東長沼)で住宅地に入り、大丸谷戸川を越えて北緑地公園へ。給水・トイレ休憩をとる。
公園北側のサイクリングコースを少し進んだところで井上要三会長の植物解説があった。ムラサキツメクサ(アカツメクサ)の群落の中に、花が枯れて茶褐色になったような植物があり、「マメ科植物などに寄生するヤセウツボ」だった。
耐震補強工事中の稲城大橋をくぐると、ハリエンジュ(別名ニセアカシア)の木が続くアカシア通り。高木の最上部に花房が残っているものがわずかにあった。「5月の大型連休中なら花盛りで香りもすばらしかったはず」と井上さん。
このコースはサイクリングロードよりも下にあるため自転車の通行はない。気温25度を超える夏日だったが、新緑がつくる木陰を安心して歩け、初めてここに来た人は「高原の雰囲気。いいコース」と喜んでいた。