立川市・矢川緑地と根川緑道を歩く

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 西東京市ウオーキング協会の2月のミニウオーキング6日、立川市の矢川緑地と根川緑道などを歩く約6キロのコースで行われた=写真は矢川緑地の木道。

 矢川緑地は湧水を水源とする矢川を中心に湿地や樹林、動植物を守り育てようとする、市街地の中の緑地保全地域。片や根川緑道はいったん埋め立てた水路を復元し、散策路や岸辺の景観を整えて自然環境を取り戻そうとする人工の親水エリア、と言えるだろうか。

 日中の気温が低く、午前中は雨という予報だったが、6人が参加。午前9時半すぎ、JR南武線西国立駅を出発した。

 こま犬ならぬ「こま蛇」が鎮座する矢川弁財天に立ち寄り、青柳大通り(みのわ通り)を横断して矢川緑地へ。

 湿地は枯草だけの単調な風景なので、自ずと濡れた木道に神経を集中できる。湿地性の植物は見られないが、ハンノキが花と実をぶら下げていたり=写真下=、マンサクが黄色い花を咲かせていたりと木々の観察に退屈しない。川面のカルガモたちも人を恐れるふうがなかった。

 緑地を一回りして入り口に戻り、青柳大通りを南に向かう。旧甲州街道を越え、突き当たると府中用水の取り入れ口を下に見る崖の上。右にしばらく進むと、つり橋が見える。根川緑道の起終点となる根川貝殻坂橋。橋を渡り、石畳の道を上流へ向かう。桜並木が続く。

 緑道は川幅や風景に変化を持たせた4つのゾーンに分かれ、全長は1.3キロ。車道と交差する所はトンネルになっていて、足止めされることはない。立川市にゆかりのある歌人の歌碑がいくつも立っている=写真下。

 緑道は最後に残堀川沿いの遊歩道と合流した。目の先に中央線が走る。

 合流した残堀川沿いの道を上流へ向かうと、間もなく右手に上る細い道があり、上り詰めると普済寺の墓地に出る。「国宝六面石幢(せきとう)」の看板の矢印をたどると、コンクリート造りの覆堂の中に国宝が無料公開され、ガラス越しに見ることができる。

 石幢は緑泥片岩(秩父青石)の石板6枚で六角柱を形作り、各面に金剛力士像と四天王像が一体ずつ薄く彫り込まれている。基台からの高さは約2メートルで、1361(延文6)年の造立。豪族の立川氏の館がこの寺の場所にあったという。

 パラパラと傘をたたく雨は、このあと諏訪神社、諏訪の森公園を通って正午すぎに多摩モノレール立川南駅前で解散するまでやむことはなく、同好の別のグループと出会うこともなかった。
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