沼袋駅北口に集合し、午前9時50分ごろ出発。最初の目的地、禅定院(ぜんじょういん)へは徒歩6、7分。
山門の大イチョウが印象的だ。見上げると、若葉がつくる巨大な緑のぼんぼりが天を覆う。一人が胸元の幹に手を回した。「大人4人が手をつないでも足りないかな」という太さ。ボタン庭園を回ると、晩生の黄色い花のものが、今が見ごろと咲き誇っていた。
沼袋駅西側の踏切を渡り、妙正寺川に架かる橋を渡ると、刑務所跡に造られた区立の「平和の森公園」だ。小休止を取った後、住宅地の道を何度も曲がって清谷寺(せいこくじ)に着いた。本堂の外の隅に「十三仏板碑(いたび)」が立つ。
板碑は死者を追善供養するための平たい石の塔婆(とうば)。梵字(ぼんじ)で十三仏を刻んだ室町時代初期のもので、区指定の有形文化財。住職は「先代の時、雨ざらしになっていたこともあり、売ってくれと持ちかけられたが、都に調査してもらった結果、売らないことにした」と話した。
最後の目的地「二十三夜碑」は寺から近い三差路にあった。。「二十三夜」は陰暦で23日の夜、念仏を唱えたり飲食を共にしたりして月の出を待ち、無病息災を祈る行事。この辺りで疫病が流行し、祈禱(きとう)師から碑を再建するよう告げられた人たちが昭和初めに建てたらしいことが、説明板に書かれていた
この日、都心は最高気温が25度と大型連休中で一番の暑さとなったが、体に大きなダメージを受けた人はなく、3キロ余りを歩いて午前11時40分ごろ、野方駅南口で解散した。
(下の写真は、黄色いボタンが見ごろの禅定院、十三仏板碑のある清谷寺、二十三夜碑などが集まる三差路)