東京都内の桜の名所、都立小金井公園(小金井市)で3月23日、ソメイヨシノが満開となった。前日、気象庁が都心の桜(ソメイヨシノ)の満開を発表したこともあり、花見客が大勢訪れた。
上野公園の1.5倍の広い公園に50種類、約1700本の桜が植えられている。中でも江戸東京たてもの園(臨時休園中)正門前の広場にはソメイヨシノが集中しており、平日にもかかわらず、新型コロナウイルスの影響で学校に行けない子どもを連れた母親らが満開の木の下でシートに座る姿が目立った。
東口に近いユーカリ広場にある一本桜「衣通姫(ソトオリヒメ)」も満開。ソメイヨシノとオオシマザクラの自然交雑と考えられ、その美しさから日本書紀にあらわれる伝説の美女の名が付いたという。
横に広がった枝に淡いピンクの花をたくさん付けた様子は、北隣のゆりの木広場で傘状に広がるオオシマザクラの満開時に匹敵すると思えるほどの量感を見せていた。
遅咲きのオオシマザクラは、「一・二分咲き」(公園サービスセンター)といったところだ。高さ13メートル、傘状の枝張り20メートルと関東屈指の大木も遠目には開花していないように見え、立ち寄る人は少ない。
園内では、西口を入ってすぐの「桜の園」でソメイヨシノと黄色い菜の花が共演を見せ、花の色が濃い「陽光」やベニシダレは見ごろを迎えている。