<ひと>介護事業の新しい姿を追求する 岩崎智之さん(34)

イメージ 1 西東京市と同市社会福祉協議会が今年度進めている「地域の居場所づくり」の見学場所の一つが、デイサービスを行っている「おとなりさん。小金井公園」(新町6)=写真右。
 都立小金井公園の散歩から帰る保育園の子どもたちに立ち寄ってもらい、通所するおじいちゃんやおばあちゃんと話をしたり遊んだりする。企業理念に「地域の方々と共に、地域のために」を掲げてもいる。
 運営責任者の岩崎智之さん=写真下=は、大学卒業後、経営コンサルティング会社勤務などを経て2011年に株式会社ナチュラルスタンスを設立。今年2月、「おとなりさん。」を開所した。8月28日、岩崎さんが目指す介護事業について聞いた。
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 道路から奥まっているのに案内板や看板はない。建物は普通の平屋建て住宅のたたずまい。車は介護施設にありがちなワンボックスカーではなく、2台の軽自動車。「デイサービスっぽさを出さないようにしています」。近所の人たちに来てもらいやすく、利用者には自尊心を傷つけないため、という。
 約100平方メートルの「家」は賃貸。「私たちは建物に補助金という名の税金を使わないで済むし、大家さんはアパート・マンションのように入居率を心配することなく、土地を有効活用できる。仮に私たちがコケても、バリアフリーの住宅はすぐ買い手がつくでしょう」と笑う。
 介護職員は正社員4人(近く1人採用予定)とパート8人で、デイサービス10人と夜間介護(泊まり)約5人を受け入れる。「介護事業は、サービス業として求められているレベルが高い。レストランの機能を持ち、車で送迎し、医療の知識も必要」として、やる気のある優秀な人材の確保と育成に力を入れてきた。スタッフのがんばりに見合う給料アップをはかりたいという。 
 「介護事業は店舗型ビジネス。類似の業者に勝てるサービス内容や給与体系を整え、売り上げと施設数を増やしていく」と先を見据えている。また会社としては農業分野への進出も目標の一つ。玄米や有機野菜などで健康に生きるための食事術とされるマクロビオティックに強い関心を持つ。
 一方で、介護には「地域の力が欠かせない」と強調。「他の介護事業者にまねてもらえる事例をつくりたい」と意気込み、デイサービスの機能を使ってイベントで声かけをしたり、世代間交流を一層進めたりすることにしている。