風雨が心持ち和らいだのを見て、外の周遊に出た。海水の池に架かるヒノキ造りのお伝い橋を渡り、明治初期まで園遊会が行われていたという桜の林を通り、鴨場(かもば)の仕掛けを見るなどして休憩所に戻るころ、ようやく雨脚が弱くなった。
昼食中に、担当者が都港湾局に電話をして、予約してある視察船「新東京丸」の午後便が出航することを確認。それが伝えられると、参加者たちから「よかったぁ」と喜びの声が上がった。
午後1時30分発の2便目には私たちを含めて35人が乗船した。60人乗りなので、1階の客席だけでも余裕があった。
出航してすぐ右に見える日の出ふ頭、芝浦ふ頭、レインボーブリッジをくぐって品川ふ頭、大井コンテナふ頭と移るたびに係留されている船舶や荷物、大型クレーン群などについて説明があり、輸入や移入の役割の大きさを知る。
貨物の扱いだけでなく、2020年東京五輪で馬術会場となる「海の森」、江東区と大田区が帰属を争っている埋め立て地、築地からの移転が遅れる豊洲市場など今日的な話題の風景も多い。波が高いため運行ルートが少し短縮されたとはいえ、見どころ満載の1時間15分だった。(下の写真は都の視察船「新東京丸」とその船内)