非核・平和をすすめる西東京市民の会(鈴木治夫会長)と西東京市が主催する「平和事業についての話し合い」は5月13日、市民側から15人が参加して市民会館で開かれ、原発事故や放射能汚染の取り扱いについて活発に意見が交わされた。
市は毎年、広島平和記念式典への市民参加、映画会、学習会などの平和事業を市民の会と協働で行っており、本年度は事業委託料や講師謝金など約124万円を予算化した。
東日本大震災に伴う福島原発の事故以来、乳幼児を抱えてノイローゼになった母親がいるとして「放射能問題を学習会に取り入れてはどうか」と市民が発言したのに対し、市の担当者は「非核・平和の『核』は核兵器と考えている。食の安全安心に関しては消費者センターと同センター関連の市民団体、また学校と市なども取り組んでいる」と述べ、平和事業の中に原発問題を取り込むことに難色を示した。
しかし、市民からは「原発の廃止や再稼働の是非にまでは踏み込まず、いま起きている被害や不安という民生一般の問題として取り上げることは可能ではないか」「核エネルギーを人間は制御できなかった。科学の問題として正確に理解することが必要だ」などの反論が相次いだ。
結局、この日は「核」をどう捉えるかの結論は出さず、今後の課題として議論を続けることにした。
このほか、市民参加を促すため同一イベントの回数を増やすことなど、予算の範囲内で柔軟な運用を市に求めたのに対し、担当者は「現状の課の体制では難しい。1回の内容を充実させたい」と答えた。